セボフルランの維持期(何が起こっているか?)

セボフルランの薬物動態シリーズの続き。覚醒と導入は終わったので、次は維持の話。

吸入麻酔薬の薬物動態については、まずミラーを精読することをおすすめする。なんといっても書いているのは、Egerさんだ。

では麻酔導入後、組織への麻酔薬の移行はどうなっているのか?

脳や肝臓などのvessel-rich group(VRG)は心拍出量の75%を受けており、導入時には急速に麻酔薬が取り込まれる。動脈血との平衡は4-8分で90%達成される。

その後は、筋肉と皮膚(MUS)への取り込みが主となる。血流量がすくないのがVRGとの違いになる(VRGが70ml/min/100ml, MUSは3ml/min/100ml)。ミラーの記述ではMUSが動脈血と平衡に達するのには2-4時間かかる。

最後は脂肪組織(FAT)。FATはさらに血流が少なく、平衡に達するには30時間かかる。

これらをシミュレーションするとこうなる。
初めの5分間はガス流量6l/minでセボフルラン5%で吸入し、その後3l/min、セボフルラン1.5%で維持してみる。

a0048974_2392218.jpg



麻酔時間で変わっているのは主として筋肉へのセボフルランの蓄積ということになる。
例えば、麻酔時間が60分の手術だといつもより覚醒が早いと感じられるが、これは筋肉への蓄積が少なく、覚醒時の麻酔薬のwash outが速いためと考えれる。脂肪については以前も書いたが、多くの人が思っているほど通常の臨床麻酔では影響が少ないことが分かる。
[PR]
by yamorimo | 2008-01-13 23:12 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://eanesth.exblog.jp/tb/6673769
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< セボフルランの薬物動態 広島麻酔エキスパートセミナー >>