セボフルラン麻酔の導入時の問題

Tubokawa先生のブログに挿管時の記憶がある患者が紹介されている。術中覚醒のタイミングとしては挿管時というのは結構多い。

原因としては麻酔導入薬の効果の減弱と、維持薬の効果のつながりのギャップが考えられる。

プロポフォールのボーラス投与後の濃度変化を考えてみる。
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上段が1mg/kg、下段が2mg/kgである。1mg/kgでは効果部位濃度はせいぜい2μg/mlであり、これだけでは挿管時には覚醒してしまう症例もありそうだ。

そこでセボフルランを吸入させる。
横軸は吸入後時間(分)、縦軸はセボフルラン濃度(%)、ALV(肺胞)、VRG(脳など)、MUS(筋肉)である。

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脳内濃度(VRG)は4分後には1%を越え、5分後には約1.8%。意外とセボフルランの濃度は上がらない。ただ、プロポフォールの効果と併せると大丈夫そうだ。
ただこのシミュレーションは換気量が4L/minの場合であり、当然マスク換気がうまくいかない場合もあるだろう。また吸入濃度はいつも5%を使っているだろうか、など考えると挿管時に記憶のある症例はあっても不思議ではない。

そこで気を付けることは、
フェンタニルやレミフェンタニルを併用する。
セボフルランは気化器の最大濃度を吸入させる。
挿管前に再度少量のプロポフォールを追加する(特に換気がうまくいかなかった症例では)。
などを気をつけたい。
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by yamorimo | 2007-12-03 20:31 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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