セボフルランの維持濃度と覚醒

臨麻でのランチョンでH医大のK先生がセボフルランを術中1%と1.5%で維持した場合の覚醒についてシミュレーションを出されていた。
いろいろ話を聞くとセボフルラン1%で維持した場合の術中覚醒の頻度は約1/1000だが、1.5%にすると1/10程度に減少するらしい。もちろん1%で維持した場合は覚醒が早いがせいぜい5-10分程度ということだった。何を優先するのか考えるところだ。

そこで自分でもシミュレーションしてみた。
セボフルランを2%, 1.5%, 1%で5時間維持した後、吸入を中止した際の脳内濃度の変化を示す。

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セボフルランのMACawakeは0.5-0.6%。このシミュレーションは肺胞濃度ではないがおおよそ0.5%で覚醒するとして線を引いている。

やはり、1%だと5分程度、1.5%だと10分程度、2%だと15分弱で覚醒する。1%と1.5%だとそれほど覚醒に差はないように感じる。
あと注目したいのは病棟へ返すタイミングに近い30分後だ。1%と2%だと濃度にかなり差がある。長時間の手術では筋肉組織などへの蓄積がある程度効いているのだろう。2%を従来の麻酔と考えるとレミフェンタニル時代の覚醒のよさが理解できる。
もちろんこの覚醒のよさは諸刃の刃である。2%で維持した場合は30分後の脳内濃度は約0.3%で術後記憶が残っていないかもしれない。しかし1%ではごまかしが効かない。痛み、シバリング、嘔気・嘔吐など術直後の合併症の予防に注力しなければならない。

今回のシミュレーションからは、セボフルランの維持濃度は1%であれば充分覚醒は速いのでこれ以下にするメリットはなさそうということと、1.5%でもそれほど差がないということが分かった。
もちろん高齢者などでは1%で充分で、この場合は術後のwash outの早さが効いてくるかもしれない。
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by yamorimo | 2007-11-06 23:09 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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