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アルチバ臨床使用QandA ①

アルチバのアンケートはすごい勢いで回答が得られています。そこでコメント欄の質問から抜粋してお答えしていきます。

Q:全身麻酔の前に硬膜外をする時に今まではフェンタを1-2mL静注していたが、アルチバではどうしたら良いででしょうか?

A:
私も硬膜外前にフェンタニル1-2mLというのはよくやっていた手技です。アルチバになってもそこはそのままやるというのも一つの方法かとは思います。もうひとつはアルチバを低用量で使用する方法です。
私は、硬膜外の時はアルチバ0.05-0.1μg/kg/minで開始、側臥位へ、硬膜外穿刺という形で行っています。当然ですが必ずSpO2をモニタします。

アルチバ臨床使用QandA ①_a0048974_23235098.jpg



0.1μg/kg/minのときのシミュレーションを示します。緑が効果部位濃度です。穿刺するのは投与開始後5分くらいになるので効果部位濃度としては1ng/mlを少し越えたくらい。フェンタニル1mLと同じくらいの鎮痛は得られるのではないでしょうか。穿刺困難で時間がかかる人には自動的に濃度が上がっていくのである意味都合がよいのですが、呼吸抑制に注意が必要になります。SpO2が低下すれば、呼吸を促す、投与中止などで対応して下さい。

アルチバはフェンタニルよりも呼吸抑制が起こりやすいといわれていますのでこの方法はもちろん推奨はしません。短時間の投与ということと、呼吸状態は充分監視しているということで許容範囲ではないかと。あくまで自己責任でお願いします。
秋の臨床麻酔学会あたりではこんな臨床研究の発表があるのではないでしょうか。

いきなり際物から始めてしまいました。
by yamorimo | 2007-06-29 23:36
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