レミフェンタニルの話題というか講演を終えての感想。
レミフェンタニルを添付文書通り使うと、効果部位濃度は6ng/ml程度になる。フェンタニルとほぼ同程度の作用がありそうなので、これは今まで通常の麻酔では経験できなかったほどの鎮痛効果になる。レミファンタニルを使う意義というのは、やはりこれまで以上に充分な鎮痛が可能になるということなのだろう。これはフェンタニルでは術後の呼吸抑制の問題があり実現することができなかった。もちろんこれにより患者のout comeがどうなるのかについてはこれから検討されなければならないが、術中の循環変動の少なさとか、カテコラミンの上昇が抑制されるという効果は充分期待できる。
例えばすぐに作用が切れるのであれば笑気と変わらないのではないかという質問があるが、これには得られる鎮痛レベルがさらに高く調節性もある点が大きく違うということだ。
では、もっとlow doseにしたらどうか。もしフェンタニルでも可能なレベルであれば術後鎮痛の問題が全面に出てしまうのでそれほどメリットは感じられないかもしれない。
やはりレミフェンタニルはこれまでの麻酔を変える麻酔薬であることは間違いない。そこを理解できるかどうかで評価は分かれるだろう。