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レミフェンタニル入門(9)

レミフェンタニルについて、理論的な部分はT先生にかなわないので今回は特殊な使い方について。
以前、フランスで見学したときに驚いたのはプロポフォールとレミフェンタニルで導入して、ちょっとキシロカインを気管内に噴霧して(日本のスプレーよりホース?の部分が長い専用品だった)、筋弛緩なしで気管挿管していたことだった。
最近全身麻酔に神経ブロックを併用する際に、電気刺激で確認するには筋弛緩薬が使用できず、LMAではちょっとという側臥位の長時間手術では困っていた(LMAで気道確保、ブロックしてから筋弛緩を入れて再度気管挿管みたいにしている)。そこで、レミフェンタニルと筋弛緩薬なしの気管挿管について調べてみた。

Erhan E, et al. Can J Anaesth 2003;50:108-115
レミフェンタニル3μg/kgとプロポフォール2mg/kg, あるいはチオペンタール6mg/kg, (あるいはエトミデート)で導入。90秒後に気管挿管し、挿管の状況を比較した。
プロポフォールでは93%、チオペンタールでは40%で良好な挿管状況が得られた。このことからレミフェンタニル3μg/kgとプロポフォール2mg/kgの組み合わせがベストと結論された。

レミフェンタニル3μg/kgは、通常のボーラス量の1μg/kgからすると多めではあるもののこの投与量は覚えておいてよさそうだ。循環はプロポフォール群で、徐脈傾向にはあるが挿管時の血圧上昇はよく抑えられている。

なお、チオペンタール派の人には、レミフェンタニルを4μg/kgつかうとよいという別の報告(A and A 2003;96:1336)もある。

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by yamorimo | 2006-12-12 21:51 | 麻酔
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