セボフルラン:後発品との差はあるか?②

第一回で、セボフルランはルイス酸との反応で分解しHFを産生するリスクがあること。このため、ガラス瓶を避け、ルイス酸阻害薬として少量の水が添加されていること。これらの対策は後発品では行われていないことを解説した。

それでは、実際の臨床ではどうなのか?2000年台にペンロン社製の気化器を使用している施設で使用中に、後発品のセボフルランを使用すると気化器のガラス窓の腐食が起こった事例が報告された(Anaesthesia 2007;62:412)。

そこでセボフルランと気化器の組み合わせによる変化が検討された。

Sevoflurane formulation water content influences degradation by lewis acids in vaporizers. Anesth Analg 2009;108:1796


セボフルラン製剤として、
Ultane(アボット社(丸石製薬と同じ))(水352 ppm)
Baxterのセボフルラン(水 57 ppm)
Eraldin(水 19 ppm)
の3種類。

気化器として
Drager Vapor2000
GE Tec7
Penlon Sigma Delta
の3種類。

セボフルランを気化器内へ入れ、40℃の状態で保存。1,2,3週間後の変化を検討。
Penlon Sigma Deltaと水含有の少ないセボフルラン(Eraldin)、Baxterの組み合わせでは、経過とともにpHの低下、フッ化物濃度の上昇をみとめHFが産生したとことが考えられた。Ultaneでは変化はなかった。
GE Tec7、Dragerではいずれのセボフルランでも変化はなかった。

朽ちた気化器が動物の骨と一緒に砂漠?にうまっている表紙に見覚えのある方もいるだろう。

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現在日本で販売されている後発品の水含有量については不明であるが、水を添加することはアボット社の特許であることからいずれにしても少ないと考えられる。本研究は40℃という高温の環境下ではあるが、後発品のセボフルランの危険性を示す貴重な研究といえる。
Penlonの気化器を使用している施設では後発品への変更は要注意ということがいえるだろう。アコマなどこのほかの気化器については分からないのでこちらも要注意である。

ということで、後発品を使うのであればDragerかGEの気化器は必須である。
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by yamorimo | 2014-07-18 14:53 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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