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TAPブロックの解説

ブログの設定をチェックしていたらこのブログへのアクセスランキングが付いていることを今さらながら知りました。
1位ガムエラスティックブジー、2位NWAC、3位TAPブロックです。意外に古い定番ネタがいまだに人気なのに驚きます。そこでTAPブロックについて解説してみます。

TAPブロックは講演等で簡単と紹介されることが多いですが本当は難しいブロックだと思っています。自分で会心の出来というのはあまり記憶がありません。どうしてもある程度は内腹斜筋の筋注になってしまいます。

まず適応です。
腹部体幹のブロックへのアプローチは後方からの傍脊椎ブロックと前方からのTAPブロック系に大別されます。
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そこでTAPブロックです。
腹部の筋層は結構複雑です。いわゆる腹筋の3層構造は側腹部のみで、肋骨弓部でみると外側では3層ありますが、より正中では外腹斜筋と内服斜筋がなくなり腹横筋のみに、さらに内側では腹横筋の上に腹直筋という構造です。

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脊髄神経は側腹部では肋骨の下がT10、腸骨部がT12からL1に相当しますので通常のいわゆる後方TAPブロックではおおよそT10からT12がブロックされます。肋骨弓下の肋骨弓下TAPブロックでは腹筋の3層構造のある部位からブロックすればT9からブロックされます。より上位は腹直筋鞘ブロックの併用が確実です。

そこで、手術創に合わせてブロックを計画します。ほとんどの腹腔鏡手術では臍の部分にメインのカメラポートが置かれますので、そこに合わせると肋骨弓下TAPブロックで特に肋骨の下端あたりに局所麻酔薬を注入すればよいです。通常の後方TAPブロックではT10のレベルの鎮痛が不足する可能性があります。

装置の配置です。
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初心者の場合、右と左は同じ配置で、つまり超音波装置を移動する方がよいと思います。どちらも同じフォームでブロックします。慣れれば同じ配置のまま左右できるようになるでしょう。

針は20Gの硬膜外針がよいと思います。このブロックでは特に針先の描出が命です。

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穿刺の際は、まず左手でブローブをしっかり固定します。肋骨が使えれば固定に利用します。
針はできるだけ腹横筋膜面に平行になるように穿刺します。そのため穿刺位置はプローブからやや外側になります。

穿刺の実際です。極意というほどではありませんが参考にして下さい。


広範囲に効かせるには、局所麻酔薬の広がりに合わせて針を進めていきます。いずれにしても局所麻酔薬の広がりをみながら針の位置を変えないといつのまにか筋注になっていることがあります。最後まで針を見失わないように注意します。こちらは先日も紹介した動画です。


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by yamorimo | 2013-05-05 22:46 | PNB | Trackback | Comments(0)
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