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周術期体液・代謝・侵襲研究会

週末は周術期体液・代謝・侵襲研究会に参加した。この研究会もややマンネリ化してきたが特別講演の「宇宙と地上における循環調節障害」が面白かった。
演者は日本大学の岩崎賢一先生で、元々宇宙医学に興味があったがまず麻酔科の研修後にこの道に入られたということだった。宇宙医学は単に人類の宇宙活動の問題だけでなく周術期のような長期臥床時の身体変化にも応用できるという内容。

立位では下半身への血流の停滞が起こる。通常は下肢の筋ポンプ作用(血管収縮作用)により代償されている。

重量のない宇宙飛行ではこの筋ポンプ作用により体液の頭方移動(体液シフト)が起こる(スライドでは顔のむくんだ向井千秋さんの写真)。

眼球は、脈絡膜の厚みが増加。眼圧が上昇する。

微少重力環境では、
脈絡膜↑により遠視化
眼圧上昇
により、近方視力の障害が起こる

長期では、
飲水量↓
新生赤血球減少などから
血漿量↓
赤血球↓

帰還前は水分補給が重要

宇宙飛行士の帰還直後は立位失神が起こる
シャトルでは25-65%
ミールでの長期滞在では80%以上

血漿量の減少以外に、
身体活動の低下から、心筋萎縮、血管収縮の減弱、下肢筋力の低下が起こり、起立耐性が低下する。

アポロ時代の研究とその後のfollowから、
3週間のベッド上仰臥位は30年分の老化以上に運動能力を低下させることが分かった。
重力の下で体を動かすことは重要である。
だからERASで締めくくり。
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by yamorimo | 2012-08-07 00:33 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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