術中覚醒アンケートの結果

麻酔科学会で発表した術中覚醒アンケート調査の結果に結果について簡単に紹介します。これまで一部は臨床モニター学会でも発表しました。

回答者は119名で、2010年1年間の術中覚醒の有無についてお聞きしています。
回答者すべての総麻酔症例数は28890例で、そのうち吸入麻酔が18149例、TIVAが9944例でした(JSA麻酔台帳の分類に準拠)。
このうち術中覚醒例は10例報告されています。

覚醒例の詳細です。
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大きく分けるとTIVAが5例、セボフルラン3例、産科麻酔2例でした。
セボフルランではいずれの症例も何らかの原因でセボフルラン濃度が低下したときに起こっています。

TIVAではポンプトラブルとTKAで2例というのが特徴でしょうか?

BISモニタの使用を吸入麻酔のときとTIVAに分けて聞いてみました。
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TIVAではBISの使用率が高いことが分かります。今の時代、TIVAでBISを使用するのは当たり前ということでしょう。吸入麻酔ではBISの使用は必ずしも一般的ではありません。ただ術中覚醒例ではBISの使用により防ぐことができたのではないかと考えられます。

これは回答者全員から得られた標準的なセボフルラン濃度です。
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セボフルランの使用濃度はレミフェンタニル発売直後に極端に低下しましたが、近年では1-1.5%で落ち着きました。この程度を維持すれば術中覚醒はほとんど発生しないということなのでしょう。
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by yamorimo | 2012-06-14 23:19 | 麻酔 | Trackback | Comments(2)
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Commented by SH at 2012-06-17 10:01 x
C/Sの全身麻酔(TIVA+S)で2件の術中覚醒が生じていますが,実際どのような麻酔だったんでしょうか?
関労の上山先生の論文のように妊婦ではMACは低下しても脳に対して必要な麻酔薬濃度は変りません.子宮収縮抑制を恐れて麻酔薬濃度を下げれば術中覚醒の確率は当然高くなります.現在の臨床濃度で子宮収縮抑制によって出血で困ることはまずありませんから,濃度を下げるのは間違っているのです.もしそのような麻酔をしているのであれば考え直すべきと私は考えています,
Commented by yamorimo at 2012-06-18 00:30
帝王切開での覚醒例は導入吸入麻酔で維持がTIVAのパターンです。今回はスルーしましたが比率からすると高いので、日程合えば産科麻酔学会に演題出して注意喚起してもいいかなと思っています。
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