超音波ガイド下CV穿刺を考える④

超音波ガイド下CV穿刺を考える。4回目は交差法による腋窩静脈穿刺です。
内頸静脈はなんちゃって穿刺でもほぼ安全に穿刺可能です。一方腋窩静脈はより深部に位置することと、下に肺があることからmethodをよく理解して経験を積まなければ動脈穿刺や気胸のリスクが高くなります。
私の施設では内頸静脈の穿刺を超音波ガイド下で30例程度。超音波画像上、針のコントロールが自信を持ってから施行することにしています。

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血管はできるだけ直線化する必要があります。このため上肢は90°外転させます。この方が鎖骨が上に上がりプローブを置くスペースも得られます。

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プレスキャンでは、血管までの距離、肺までの安全域、動静脈の重なりなどを考えて最適の刺入位置を決定します。基本的には末梢になるほど、気胸のリスクは少なくなりますが、皮膚からの距離が大きくなります。また静脈は末梢ほど深部にあり、鎖骨に向かい浅くなりますので血管に直角に超音波ビームを当てるには皮膚に対してやや傾ける必要があります。
以前、Tokumine先生の方法で穿刺するとガイドワイヤーが末梢へ向かうという話を聞きましたが、これはプローブの角度の問題だと思います。

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これは私の穿刺位置での平均的な超音波画像です。ほぼ皮膚から2cmの場所への穿刺であることが分かります。使用する穿刺針を内頸静脈用の短い穿刺針にすれば気胸のリスクは避けることができます。

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穿刺後は、カテの走行をできるだけ確認します。特に右内頸静脈内にカテーテルがないかどうかを確認します。カテの存在が疑われると生食20mlくらいを注入すると確認が容易です。

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仕上がりはこんな感じです。、血管にヒットした部分ですこしノッチができるのが特徴です。

最後に動画です。弟子作なので、超音波画像が左右逆なのはお許し下さい。



次回より平行法に移ります。
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by yamorimo | 2011-07-23 21:32 | 中心静脈穿刺 | Trackback | Comments(3)
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Commented by NMIYA at 2011-07-24 16:49 x
YASU先生。私の病院では麻酔科で鎖骨下を穿刺する機会は少なく依頼されることも少ないです。外科のDrは好んで穿刺されているようです。しかしながら透視下に行うことが多く合併症も少なくはないようです。超音波ガイド下での穿刺が安全であることが明白な今、可能なら鎖骨下穿刺もエコー下で行うように院内で普及させていきたいと考えています。しかし今まで麻酔科で鎖骨下を積極的に穿刺していなかったためどの症例からはじめようかと考えている次第です。どういう症例で進んで麻酔科が鎖骨下を穿刺したほうがよいのかお教えいただけませんか。長期留置には鎖骨下のほうが適しているとは思うのですが。浅い知識ですいませんがお教えいただければ幸いです。
Commented by yamorimo at 2011-07-24 18:05
NMIYA先生
まず、超音波ガイド下での穿刺が安全であるというのは正しく施行できればというとになります。麻酔科で穿刺する機会が少ないのであればあまり手を出す必要はないと考えます。
本当に先生が技術を身につけたいのであれば、すべての症例で鎖骨下穿刺を超音波ガイド下に行うべきです。そのくらいの覚悟と症例数が必要です。実際に麻酔科領域でのCV穿刺セミナーでは鎖骨下に関してはやや引き気味の部分があります。
適応については先生ご指摘のように外科で長期留置が必要な症例だと思います。あとポートを留置する症例では超音波ガイド下にできるだけ末梢から挿入する方が安全です。
Commented by NMIYA at 2011-07-24 20:46 x
YASU先生。確かに昨年受けたCVの指導者養成コースでもほぼ内頚だけの内容でした。麻酔科のニーズとしては内頚がメインなのは間違いないですよね。合併症が少ないですし手技として上達が早いから麻酔科に好まれるのでしょうか。ただ院内のコースなどでは外科の医師も来られますからそういう意味でのニーズはあります。安易には手がだせませんので先生の動画やブログを参考にさせていただきます。施行する時には特に慎重に行わせていただきます。ご返事ありがとうございました。
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