デスフルラン発売記念会

デスフルラン(スープレン)発売記念会に参加させて頂いた。

スープレンについては7月中に承認の予定ということであった。

まず慶応のTakeda先生がブリーフィング。
デスフルランのメリットしては薬物動態上の特徴がある。
注意点は、頻脈と刺激臭である。
気化器についてはDragerとGE(Datex-Ohmeda)から発売されているが、初期投資が問題になる。

ついでEllis先生の講演。Ozaki先生と絶妙のコンビで会場を盛り上げる講演だった。
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タイトルは、Predictable Recovery and Suprene U.S. Experience

講演でもあったがセボフルランと比べてデスフルランはより早く、予測できる覚醒(覚醒時間のSDが小さい)が可能である。

まず注意点としては気道刺激。does not recommend inhalational inductionと何度も強調された。ただ1MACの吸入ではOK.少量のオピオイドは気道刺激を抑制する。

低流量麻酔には向いている。

覚醒に関してはDecrement timeで90%あるいは92%decrementではセボフルランと差が付く(Eger. Anesth Analg 2005r;101:688)(この論文はデスフルラン時代には必読!)

抜管までの時間はセボフルランよりも25%程度早く、PACUの滞在時間も短い。
高齢者のCABGではプロポフォールよりも入院期間を短縮。

生体内での代謝は揮発性吸入麻酔薬の中で最も少ない(0.02%)。

覚醒時間の早さは、特に高齢者で明らか。

この特性は呼吸器系の合併症を減少する可能性がある。
喉頭機能の回復は、デスフルランで早い。抜管直後に水が飲める(このstudyは日本では倫理委員会を通らないよと懇親会で話題になった)。

質疑であったが、小児ではセボフルランで導入してデスフルランにスイッチすることになる。このあたりは本ブログで紹介してきた通りですね。

懇親会では気化器をどの程度揃えるのかが話題になっていた。適応をどうするか?あまり必要ないよという声も多いが、スガマデックスが普及したことを考えると意外に使用頻度は増えるのかもと思った。
日本での麻酔の特徴として、レミフェンタニルとスガマデックスの使用が多いことがあるが、これにデスフルランを加えることで、長時間の高齢者の麻酔でこれまでよりも格段に早い覚醒が得られる日も近い?もちろん予期せぬ状況に遭遇する可能性もある。レミフェンタニル使用前にシバリングが問題になるとは思わなかったが、それと同じような合併症を経験する可能性も否定できない。

面白かったのは、治験時に患者の血圧が下がったときに、むしろ吸入濃度を上げることで対処したという話。頻脈になり血圧も上がるそうだ。この辺りの特性はイソフルランに近い感じなのだろう。セボフルラン世代の麻酔科医には違和感があるかもしれない。
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by yamorimo | 2011-07-03 22:03 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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