セボフルラン vs デスフルラン⑥

いよいよデスフルランの登場が近くなってきたので、連載を再開します。
これまでに主にシミュレーションの結果から、セボフルランとデスフルランでは特に長時間手術での覚醒度には差が出てくるだろうということを示してきました。
実際の論文を紹介します。

Recovery of elderly patients from two or more hours of desflurane or sevoflurane anesthesia. Br J Anaesth 2003;91:502

対象と方法
50名の予定手術患者を対象。患者は65歳以上で手術時間が2時間以上。
無作為にセボフルランかデスフルランに群分け。
フェンタニルとプロポフォールで導入し、デスフルラン(2-6%)、セボフルラン(0.6-1.75%)と亜酸化窒素66%で維持。麻酔薬濃度は血圧を指標に調節。
術後の覚醒の状況について検討。

結果
抜管までの時間:5分 vs 9分
開眼までの時間:5分 vs 11分
命令に握手:7分 vs 12分

PACU退室:56分 vs 71分

VAS,ディジットシンボルテスト(認知機能の評価法)、悪心・嘔吐に群間差なし

亜酸化窒素を使ってのアンバランス麻酔での結果なので現状とは異なるが、レミフェンタニルを併用しても同じくらいの麻酔薬濃度と思われるので紹介してみた。手術時間としては200分くらいまでなので、差はあるものの大きな差ではないのだろう。認知機能の回復にも差はなかったので早期の回復のわずかな差が臨床的にどの程度意義があるのかは微妙なところ。
実際に使用できるようになったら、長時間の高齢者手術での比較というのはひとつのターゲットになるだろう。

PS
今日聞いた話では、DragerとGEの麻酔器ではデスフルランに対応できるものの、アコマは気化器が当面発売されないとのことでした。麻酔科学会ではお使いの麻酔器のデスフルランへの対応について確認が必要と思われます。
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by yamorimo | 2011-04-27 00:11 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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