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AZテレビシンポジウム

急に頻回になったAZテレビシンポジウム、今日の演者はInagaki先生だった。

まず好感が持てたのは自分の考えはこうなので皆さんお試し下さい的な講演で、押しつけ調ではなかった点である。この分野ではまだ模範的なTIVAのmethodというものはない。各自で模索していく中で今日の講演は参考になるだろう。

麻酔導入時には、TCIの設定を1、2、3、4μg/mlと1分づつ上げていく方法を紹介され、この方がいきなり3μg/mlに設定するよりも就眠時と覚醒時の効果部位濃度が一致することを示された。
この方法は、もうすぐ配布される私の臨床麻酔学会での講演記録に掲載されている、初期の目標血中濃度を2μg/mlにして徐々に上げていく方法に似ている。BISのない環境では特にこの方法をお試し頂きたいということだった。

次に硬膜外併用では必要な鎮静薬の量が約30%減少することを自分のデータやこれまでの報告を使って示された。ただ、硬膜外の場合どこまで効いているのかがよく分からないので、過信は禁物かもしれない。私は区域麻酔併用時にもレミフェンタニル0.1μg/kg/minはキープするようにしている。

最後に、ご自分のデーターでセボフルランよりもプロポフォールの方が術後の覚醒や認知機能の回復に優れることを示された。この辺りは最近のレミフェンタニル併用での追試が必要かもしれないし、今後はデスフルランとの比較にもなるだろう。

質疑応答は時間を余して終了した。個人的にも火曜日に仕事が終わって講演というのは結構きつい。しかも会場から1時間かけて帰るともう10時である。スケジュール的には一考の余地があるのかもしれない。

質問では90歳を超える人に対するTIVAの方法というのがあった。例えば大腿骨頸部骨折の患者を脊髄くも膜下麻酔で行って、プロポフォールで鎮静してみると分かるがこの世代の患者のプロポフォール必要量は個人差が大きい。患者によっては0.5μg/mlで過鎮静となることもあるし、脳波も非常に低振幅のことが多くあてにはなりそうにない。安全に覚醒と考えるとセボフルランの選択になるだろう。
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by yamorimo | 2011-02-22 23:05 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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