セボフルラン vs デスフルラン④

久々のセボ vs デスフルラン

これまではシミュレーションを使ってセボフルランとデスフルランではデスフルランの方が覚醒が早いこと。
特に長時間では差が付きやすく、それも単に覚醒というよりは飲水ができるとかのレベルに回復するまでの時間が短いだろうということを示してきました。ただし、0.6MAC程度で維持している現在のセボフルラン麻酔ではそれほど差が付かないだろうと考えています。

これからは少し文献をみていきます。

A comparison between sevoflurane and desflurane anesthesia in patients undergoing craniotomy for supratentorial intracranial surgery.
Anesth Analg 2009;109:567

脳外科の手術をセボフルラン or デスフルランで麻酔して覚醒の状況について比較しています。前述の理論的には差が出そうな状況ではあります。

方法
ASA I-III, 年齢19-76歳、意識清明な予定脳外科手術(テント上脳腫瘍)患者120名を対象。
麻酔導入1時間前にデキサメサゾン10mgを静注。
ランダムにセボフルラン群とデスフルラン群に分ける。
麻酔はプロポフォール3mg/kgとフェンタニル3μg/kgとベクロニウム0.1mg/kgで導入。
挿管後は、空気:酸素(2:1)、PaCO2を35mmHgで維持。吸入麻酔約濃度は約1.2MACで維持。
頭皮に0.25%ブピバカインで局麻、フェンタニルは0.7μg/kgを追加。

術後の、覚醒時間、抜管時間、回復時間(名前が言える、生年月日が言える)
術後の認知機能をSOMCTで評価
今日の日付、短い話の詳細など5つの質問(長谷川式に近いものか?)

結果

年齢の平均は、62歳と60歳。
手術時間は271分と263分。
フェンタニルの総量は、374μgと355μg

       セボ      デス
覚醒 12.2±4.9 10.8±7.2
抜管 15.2±3.0 11.3±3.9
回復 18.2±2.3 12.4±7.7
すべて分
抜管と回復時間はデスフルランが有意に早い。

SOMCT
抜管の15分後ではデスフルランで有意に高い。その後は有意差なし。

術中の循環動態。術後のシバリングの頻度に有意差なし。

ということで、術後早期の覚醒の状況は予想通りデスフルランで良好であったがその差は小さく臨床上の差はあまり大きくない。またレミフェンタニルを併用している現在の麻酔ではその差はさらに小さいだろうと思われる。
デスフルランの優位性を示すには術後の状況の評価法をもう少し考える必要があるのではないだろうか?
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by yamorimo | 2011-02-13 23:36 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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