全身麻酔中の脳波変化③

本編に戻ります。

GENESIS AND ANALYSIS OF THE EEG

神経学的な評価の目的で脳波を測定する際は頭皮全体に複数の電極を使用するが、全身麻酔中は困難である。幸運なことに、麻酔薬は前頭葉の皮質脳波活動を高めるので、前頭部は麻酔薬の作用を評価するのに適しいている。BISやエントロピーは前頭部に3つから4つの電極を使用する。
大脳皮質の第5層に樹状突起を持つ錐体細胞が並んでいる。樹状突起でのシナプスの活動は局所的な電位変化を生じる。この電位のさざ波が脳波の主な起源である。ひとつの電極には50から500000の錐体細胞の活動が反映される。この他に頭皮の電極には、筋電図(前頭部、眼輪筋、心臓)や室内からの電気信号も記録される。これらは脳波のアーチファクトの原因となる。
脳波は時間とともに変化し、繰り返す一定のパターンを持たない。しかし、麻酔中や覚醒時の定常状態ではある程度の一定のパターンを示す。例えば覚醒時の脳波の振幅は小さい。周波数による解析はqEEG解析の主体である。脳波波形は一定の時間で切り分けられ数学的に(周波数、振幅、位相の異なる)サイン波に分解される。
従来の脳波波形の分類を示す。

脳波波形     用語    周波数(Hz)
デルタ       徐波    0.5-3.5
シータ       徐波/中間  3.5-7
アルファ/紡錘波 中間     7-13
ベータ       速波     13-30
ガンマ/ベータ2 速波     30-80

x軸に周波数をy軸に脳波のパワーを示した図をパワースペクトラムという。
覚醒時には高周波数のアルファ波とベータ波が優勢である。一方、睡眠時や麻酔時にはデルタ波やシータ波が優勢となる。

まとめると

覚醒時
高周波数の低振幅波
まばたきや眼球の運動が時折高振幅の筋電図としてみられる
リラックスしていたり目を閉じているときはアルファ波

軽度の意識低下
筋電図の消失
振幅の増大

浅い麻酔時
紡錘波(10秒程度で振幅が増減する)
デルタ波

深い麻酔時
低周波数の紡錘波
群発抑制
平坦脳波
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by yamorimo | 2010-12-23 22:11 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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