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セボフルラン vs デスフルラン②

セボフルラン vs デスフルランの第2回
今回は麻酔時間6時間の場合、

前回と同様に麻酔開始から維持で6時間時点まで、

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違いが大きいのは筋肉組織での麻酔薬濃度の上昇である。デスフルランでは4時間くらいで筋肉組織と血液が平衡に達するのに対して、セボフルランでは6時間後でもまだ平衡には達していない。ここが麻酔時間により覚醒に差が出る原因となっている。

では6時間後に麻酔薬濃度を0にする。このときセボフルランは呼気濃度1.8%、デスフルランは6.7%とほぼ1MACになっている。

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やはりデスフルランの方が覚醒が早い。前回同様覚醒をVRGの濃度が0.25MACまで低下とすると、セボフルランは16分、デスフルランは10分である(2時間のときはそれぞれ、12分と8分)。
覚醒では大きな差はでないが、0.1MACまでの低下ではセボフルランは60分ではそこまで低下せず、デスフルランでは42分である。
1点不明なのは、デスフルランでは脂肪組織でのデスフルラン濃度が1.4%あるので、覚醒時には脂肪組織からデスフルランが血液に戻ってくる。スピードは遅いだろうが、肥満患者では何らかの影響があるかもしれない。

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前回同様、0分のVRGの濃度を100としてその後の相対的な変化をプロットしてみる。
やはりcontext-dependent timeの差がでている。維持をおおよそ1MACで行っているので、90%低下までの時間は、デスフルランで40分、セボフルランは60分以上と前回の2時間の時以上に両者に差がでることが分かる。

2回のまとめで2時間と6時間を併記してみる。

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麻酔維持を1MAC程度で行う場合は、デスフルランは長時間手術でも短時間のセボフルランと同等かそれ以上の覚醒を得ることができる。
デスフルランが有用なのは短時間手術では日帰り手術など早期の覚醒が必要な場合。但しセボフルランでも大きな差はない。
一方長時間手術では術後の回復が明らかにデスフルランが早い。スガマデックスで筋弛緩の拮抗がほぼ完全にできることと合わせればデスフルランの導入は日本の麻酔の状況を大きく変える可能性もあるといえるだろう。

このままではセボフルランの地位が危ういので、次回はデスフルラン-レミフェンタニル-スガマデックス時代のセボフルラン麻酔のあり方についての提案をしてみたい。
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by yamorimo | 2010-10-16 21:11 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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