The role of the Perioperative Period in Recurrence After Cancer Surgery ④

COX inhibitors

マウスのモデルにおいて、慢性的なモルヒネの使用は腫瘍細胞内のCOX-2の発現を招き、このCOX-2の発現が腫瘍細胞の血管新生、成長や転移に影響する。
加えてcerecoxibの投与でCOX-2を抑制するとモルヒネによって誘導される腫瘍細胞の成長や転移を抑制し、生存率を高めた。このことはCOX-2抑制薬は、オピオイドの免疫に対する抑制的な作用を緩和することが期待差されることを示唆する。オピオイドの投与がない状態でもCOX-2抑制薬は癌細胞の成長や転移を抑制する効果が期待できる(アポトーシスの促進、血管新生因子の抑制、腫瘍内の微少血管の減少)。
インドメタシン(非選択的COX阻害薬)はラットのモデルにおいて手術により引き起こされる転移促進効果を抑制した。非選択的COX阻害薬は術中の出血量を増加させることから周手術期の使用はCOX-2選択的な薬剤の使用が望ましい。
まとめると、オピオイドとCOX阻害薬の使用は腫瘍手術の患者に効果的に併用することができる。

α2アドレナリン受容体作動薬

α2アドレナリン受容体作動薬としてはクロニジンやデクスメデトミジンが周術期に使用される。
近年、α2アドレナリン受容体作動薬の腫瘍細胞の成長促進効果が動物実験で示されている。また、α2アドレナリン受容体阻害薬はクロニジンの腫瘍細胞成長促進効果を阻害する。
今後の興味はα2アドレナリン受容体阻害薬の腫瘍成長阻害効果にある。

βアドレナリン受容体阻害薬

βアドレナリン受容体阻害薬は腫瘍細胞の成長を抑制することが報告されている。動物実験では、βアドレナリン受容体阻害薬の単独あるいはCOX-2阻害薬との併用は有効である。βアドレナリン受容体阻害薬はカテコラミンによって誘導されるシグナル伝達とSTAT-3の活性を抑制する。STAT-3は免疫系の遺伝子の発現を調節する因子である。まとめると、人でもβアドレナリン受容体阻害薬の使用は腫瘍の転移を抑制する可能性がある。
[PR]
by yamorimo | 2010-09-02 22:20 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://eanesth.exblog.jp/tb/11223296
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< アメリカでの麻酔科医 静寂の美 >>