The role of the Perioperative Period in Recurrence After Cancer Surgery ①

The role of the Perioperative Period in Recurrence After Cancer Surgery

Anesth Analg 2010:1636

最近のAnesth Analgはカラーになったことと、面白そうな論文にはreviewが付くので面白くなりました。Anesthesiology負けたかもと思っています。ついでにiPad対応になるとよいのですが、、

さて最近興味を持っている麻酔管理と癌の再発についての総説です。ちなみにAnesthesiologyだとsurgical site infectionに関しての話題が掲載されています。どちらもよく似ています。
周術期の免疫能。ストレス反応と抑制。区域麻酔の使用などがキーワードです。

IMMUNITY AND CANCER

免疫系が癌細胞を非自己とみなしてこれを攻撃するという考えは1世紀前からあった。しかし完全ではないことも明らかである。そこでimmunoeditingという考えが生まれた。この考えでは、免疫系は、癌細胞を選択することにより意図せずに腫瘍の増殖を促進する。

immunoeditiongには3つのステップがある。
elimination phase:免疫系が癌細胞を認識、破壊する段階
equilibrium phase:免疫系が癌細胞を監視している段階
escape phase:癌細胞が免疫系を逃れて腫瘍に成長する段階

手術の免疫抑制や催炎症性あるいは抗炎症性サイトカインの産生は、隠れている癌病変(elimination phaseのこと?)をascape phaseに導く可能性がある。この仮説はまだ充分なエビデンスがあるわけではない。

THE SURGICAL STRESS RESPONCE AND CANCER

手術後のストレス反応は本来修復過程を増強させるためのものであるが、過剰あるいは過小反応は逆効果となる場合がある。例えば、微少な癌組織にとっては成長へのチャンスを与える。手術は既に存在する微少な転移巣を成長させ新しい転移となる。これは癌細胞への最初の防御である細胞性免疫の抑制が原因となる。細胞性免疫の抑制は手術開始の数時間以内に起こり、数日間持続する(期間は手術侵襲に比例)。例えば癌手術時の低NK細胞活性は、死亡率を高める。この相関は直腸、胃、肺や頭頸部癌で証明されている。
術後の免疫能の低下には、神経免疫系、炎症反応と視床-下垂体-副腎系の関与が考えられている(次回)。

つまり癌患者では主病変以外にごく微少な転移があり、これが周術期のいろいろな要因により成長する可能性があるということだろう。もちろん癌患者以外でもequilibrium phaseのひとは多いのかもしれない。
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by yamorimo | 2010-08-19 22:52 | 麻酔 | Trackback | Comments(0)
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