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TIVA再入門 ⑯

TIVA再入門はしばらくプロポフォールを離れてレミフェンタニルなど鎮痛に移ります。

最初に書きましたが、セボフルランをいつも使っている人でも常用しているセボフルラン濃度によってレミフェンタニルの必要量は大きく違います。
本当に術中の鎮痛薬としてのレミフェンタニルを使いこなすにはTIVAで使うのが一番です。しかもできるだけ筋弛緩薬なしという条件です。
これで経験を積めばセボフルラン1.0%程度で維持しても確実に麻酔できるようになります。TIVAの経験を積むことでセボフルランの麻酔も奥義を究めることができると思います。

といっても特別な使い方はありません。ただセボフルランの時よりは多めでいいと思います。手術開始時には0.5μg/kg/minくらいで使っておいて、血圧や脳波モニタをみながら徐々に減量というのが私の使い方です。ただ常用している投与速度は0.3-0.5μg/kg/minくらいです。若い人であれば0.5μg/kg/minくらいでそのまま維持することも多いです。
このときに、BISが30台になることもありますがプロポフォールの目標血中濃度はそのまま維持します。あくまでレミフェンタニル低用量の時の濃度以下にはしないほうが安全です。

レミフェンタニルを0.5μg/kg/minくらい使っている場合、皮膚縫合に入ったら(手術終了15分前くらい)には0.2μg/kg/minまで下げます。これで手術終了時には適度に濃度は下がっています。さすがに0.5μg/kg/minのまま手術を終了すると切れが早いというレミフェンタニルの特徴を生かすことができなくなります。
つまり手術中は高用量をためらう必要はないのですが、終了前には少し減量という配慮は必要になるということです。これが終了15分前には0.2μg/kg/minです。

(PCの修理中でTIVAtrainerが使えないのですが、各自AnestAssistなどでご確認下さい)

次回は、フェンタニルの併用法についてです。
by yamorimo | 2010-05-14 00:08 | 電脳麻酔学入門
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